お通夜の流れ
祭壇や式場の設営、受付用品の準備などは、葬儀社が全ておこないます。ここではご遺族に関する準備のみご説明します。
喪服の用意をします。男性は、略礼装の黒スーツが主流です。(正式礼装であるモーニングコートは、社葬などの大規模葬では着用されています。)女性の場合は、和装と洋装に分かれます。どちらというきまりは有りませんが、喪主をつとめる場合は和装が多いようです。また、貸衣装や着付けを頼む場合は時間の余裕を持って手配してください。
弔問客へのもてなしの用意ですが、地域によっては、「通夜ぶるまい」と呼ばれる飲食のもてなしが有りますが、北九州ではあまり馴染みのない風習でほとんどの場合おこないませんので弔問客へは、お茶や茶菓子などの用意しておきます。ただし、親戚や受付などのお手伝いをしていただくお世話役へは、通夜終了後に飲食を用意します。
仏式
- 通夜後の食事のもてなしは、精進料理にします。
仏式の通夜
- 遺族・親族は、開式10分~15分前には着席して待ちます。
- 導師(僧侶)の入場で通夜が開始されます。
- 導師が読経をお勤めします。(読経の時間は約30~40分ですが、宗旨・寺院により異なります。)
- 喪主・遺族・親族の順で焼香します。
- 弔問客が、焼香します。(この時、喪主・遺族の代表3~4名が焼香台の脇にて立礼をする場合が多いです。)
- 喪主が弔問客へお礼を述べます。(僧侶の退席後におこなう場合があります。)
- 式の最後に僧侶による法話や説教があります。(宗旨によってはおこなわない場合があります。)
- 導師(僧侶)が、退席して通夜が終了します。
葬儀・告別式の流れ(仏式)
1.御斎(おとき)をおこないます。
法事の会食全般をお斎と呼びますが、北九州では葬儀の前におこなう風習があります。精進料理のお弁当を用意して、僧侶と遺族・親族が故人と最後の会食を共にします。ご年配の方は「出立ちの膳」とも呼びます。この時、受付などの世話役にもお斎を勧めます。
以前は、葬儀の開式時間は1時が最も多くお斎も昼食時間と一致していましたが、近年は、火葬後に初七日法要と精進揚げをおこなうケースが多く、開式時間を繰り上げる傾向が強まり現在では11時開式が主流になりました。このため、お斎を省略するケースも増えています。
2.葬儀準備の最終確認をします。
ご遺族がおこなう確認事項を記載します。葬儀当日は、時間に余裕がありませんのでこの段階までに手配を済ませておいて当日は最終確認をします。
- 遺族・親族および来賓の席順(席順が、そのまま焼香順になります。)
- 供花の並び順と弔電の読み上げ順。
- 弔辞は頼んでいる場合は、その方への確認。
- 喪主挨拶(または、遺族・親族代表挨拶)の確認。
- 出棺前にお柩に入れてあげたい品があれば、その用意。
- 位牌・遺影・骨壺を持つ人、お柩を持つ人の確認。
- 霊柩車に乗る人、火葬場へ同行する人、並びにその車の確認。
- 香典の管理を誰がどのようにするかの確認。
当日は、葬儀社の担当者や司会者も上記の点などを常に心掛けご遺族に確認をいたしておりますので不明な点があればすぐに尋ねておきましょう。
最近は、葬儀と告別式を明確に区別せず、ひとつの流れの中で行うことが多いです。
3.葬儀・告別式を執り行います。
ここでは、福岡に於ける一般的な葬儀・告別式の進行例を宗教別にご紹介します。
- 仏式の葬儀・告別式
- 遺族・親族は、開式10分~15分前には着席して待ちます。
- 導師(僧侶)入場。
- 開式の辞。(※宗旨によっては、開式の辞より前に「帰敬式」が行われ、その後開式となります。)
- 導師により読経、引導渡しがおこなわれます。(故人を仏の道に導くという意味の「引導」の儀式です。)
- 読経、導師焼香。
- 喪主焼香。(この時は、喪主のみ焼香します。他の遺族・親族は焼香しません。)
- 弔辞。(事前に依頼した方、または申し出のあった方に弔辞を拝読していただきます。)
- 弔電披露。(順番、全文またはご芳名のみ披露など事前に司会者と打ち合わせをします。)
- 喪主または、遺族代表のあいさつ。(会葬者へ謝辞を述べます。)
- 読経、焼香。(再び、読経が勤められます。遺族・親族から焼香します。続いて会葬者の焼香に移ります。この時、喪主と遺族代表は、焼香台の脇にて立礼をします。)※寺院の指導により立礼をおこなわない場合があります。
- 導師(僧侶)退席
- 閉式の辞
告別式が終了すると、遺族と親族は故人と最後のお別れをします。この時に、一般会葬者はロビーや控え室で出棺の用意が終わるのを待ちますが、親しい友人や知人は、親族と共に最後のお別れをします。
出棺から火葬まで
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- 最後の対面・別れ花
- 棺を祭壇からおろして最後のお別れをします。
遺族や友人が、祭壇の生花で遺体のまわりを飾ります。
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- 出棺
- 棺は遺族や親族の男性が霊柩車まで運びます。
喪主は、参列者にお礼と感謝の挨拶をします。
挨拶の間、遺族は位牌や遺影を胸あたりに掲げ、参列者の方へ向けます。
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- 火葬場へ
- 遺族・親族は分散乗車して、霊柩車に従って火葬場へ向かいます。
僧侶も同行する場合が多いです。
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- 福岡市の火葬場情報
- ※死亡届と埋火葬許可の手続きについて知りたい。
病院等で死亡診断書(死体検案書)をもらってください。
通常は、その左側が死亡届になっていますので、必要事項を記入し、提出してください。
届書が付いていない場合は、区役所・出張所でもらってください。
同時に、埋火葬許可及び火葬場利用(市内で火葬する場合)の申請もしていただくことになります。
(申請書は区役所・出張所にあります。)1 提出書類:
(1)死亡届(死亡診断書が添付されたもの)
(2)死体(胎)埋火葬許可申請書
(3)火葬施設利用許可申請書(市内で火葬する場合)2 届出期間:死亡の事実を知った日から7日以内(火葬前)
3 届出窓口:
(1)及び(2)は、死亡地、届出人の住所地又は死亡者の本籍地の区役所市民課・出張所。
(3)は、死亡地、届出人の住所地又は死亡者の住所地の区役所市民課・出張所。
※死亡者の本籍のみが福岡市の場合は、死亡届の受付を行い、死体(胎)埋火葬
許可証を発行しますが、火葬施設利用許可証は発行できませんので、福岡市の
火葬場は利用できません。
この場合は、死体(胎)埋火葬許可申請書の右面の火葬施設利用許可申請書
には何も記載しないでください。4 届出人:親族、同居者など
5 受付時間と場所:
・平日の午前8時45分~午後5時15分 区役所市民課・出張所市民係
・土曜、日曜、祝日の午前9時~午後5時 区役所の守衛室・出張所の守衛室
・1月1日は受付できません。6 必要なもの:印鑑(ゴム印不可)
7 注意事項:火葬が終わっている場合は、死亡届は提出済みです。
健康保険や年金の手続き等は、別途行ってください。8 死産届:区役所へお問い合わせください。
※福岡市葬祭場で火葬できるかどうか,また,火葬料金について教えてほしい。
福岡市葬祭場で火葬できるのは,以下の場合に限られます。
1.福岡市に住民票がある方が死亡された場合
2.福岡市外に住民票がある方が,福岡市内で亡くなった場合
3.福岡市外に住民票がある方が亡くなった場合で,利用申請者の方の住民票が福岡市にある場合
※これ以外の場合につきましては,福岡市葬祭場での火葬はできません。利用料金
上記1の場合(市内)
※大人(10歳以上) 20,000円
※小人(10歳未満) 10,000円
※死産児 3,000円上記2,3の場合(その他)
※大人(10歳以上) 70,000円
※小人(10歳未満) 35,000円
※死産児 3,000円
- 福岡市の火葬場情報
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- 納めの式・火葬
- 納めの式とは、棺を火葬炉の前に安置して最後のお別れをすることです。
僧侶が同行されたときは、読経を勤めてもらいます。
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- 火葬を待つ
- 火葬にかかる時間は、1時間前後です。
遺族は控え室で、僧侶と同行者に茶菓などで接待をしながら待ちます。
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- 骨あげ(拾骨)
- 火葬が済むと、二人が一組になり、一つのお骨を竹箸で一緒にはさんで骨壷に納めます。
骨あげが終わると、係員が骨壷を埋葬許可書と一緒に白木の箱に入れてくれます。
この埋葬許可書は納骨の際に必要となります。
遺骨は喪主が両手で抱えて持ち帰宅します。
遺骨になってから
正式には、初七日法要は亡くなられた日から7日目(死亡日を含む)に営まれる法要ですが、現在では火葬場から帰ってすぐにおこなう「※還骨回向(還骨勤行)」と併せて、繰り上げ初七日法要(付け七日)を営む場合が多いです。
世話役・会計係からの引き継ぎ
香典と香典袋、香典帳、弔辞文・弔電、会葬者名簿・名刺などを受け取ります。立て替え金の精算をします。
1.遺骨迎えをして安置します。
- 現在は、火葬場から戻って斎場(葬儀場)で初七日法要と精進落としをするケースがもっとも多いです。
- 北九州でも以前は、お迎えの際に、ひしゃくの水で手を洗い塩をかけるといったお清めの儀式がおこなわれていましたが、現在ではほとんどおこないません。
- 火葬場から持ち帰った遺骨と遺影を祭壇に安置します。(骨箱を包んでいた白い風呂敷は取ります。)
2.僧侶に還骨回向・初七日法要をお勤めいただきます。
- 僧侶に読経をお勤めいただきます。
- 僧侶の指示に従い、喪主より順に全員が焼香します。
- この後、お説教・法話がおこなわれる場合があります。
- 後日に、改めて寺院へ出向いてお礼ができない場合は、終了後に僧侶の控え室へ出向き、お礼を述べて御布施を渡されるとよいでしょう。
3.精進落とし(精進揚げ)をおこないます。
- 本来は、四十九日の忌明けにおこなわれるべきものですが、現在では、葬儀当日の繰り上げ初七日法要の後におこなわれることが一般的になっています。
- 喪主が、僧侶に対しここまでのお礼を述べ、上座の席へ案内します。僧侶が、都合により辞退された場合は、御膳料をお包みするとよいでしょう。
- 会食の前には、喪主が挨拶をします。無事に葬儀を終えたことへの感謝やお世話になった方へのお礼を述べます。
- 精進落としの参加者の人数を正確に把握することは困難ですので、料理は鉢盛りスタイルで対応することがほとんどです。また、近年では飲酒運転に対する意識の高まりからアルコール類は少な目に用意する傾向があります。
4.自宅に戻り遺骨を安置します。
- 斎場(葬儀場)から自宅に帰ってすぐに遺骨を安置できるように後飾り段を用意しておきます。事前に葬儀社と設置の確認をしておきます。
- 後飾り段に、遺骨と位牌を安置して遺影を飾ります。骨箱を包んでいた白布は取ります。
- 納骨までは、この状態で供養をおこないます。
本来は、亡くなった日を含めて数えて7日目が初七日、それから7日ごと(二七日~六七日)に供養をおこない七七日までを「中陰」と呼び、四十九日目を「満中陰」と呼びます。この間を忌中とし、四十九日の法要を終えると忌明けとされます。
1.初七日から忌明けまでの法要日程を決めます。
葬儀後の法要日程ですが、北九州でも実際には上記で説明したような正式の日程でおこなわれるケースは少ないようです。たとえば、親戚が集まりやすい日曜日(祭日)に繰り上げておこなう場合が多いほか、忌明け法要を五七日(三十五日)に繰り上げる場合や二七日から六七日までの法要を省略する場合などもあります。したがって故人の供養をどのようにおこなっていくのかは、早い段階で菩提寺のご住職とよく相談をされ、遺族側の希望を伝えたうえでご住職の指示を仰ぐとよいでしょう。
2.法要の準備をします。
葬儀後の節目となる特に重要な法要となりますので、しっかりとした準備が必要となります。
- 菩提寺のご住職と相談のうえ、日時を決めます。
- 会場を決定します。自宅か菩提寺または、斎場などから選びます。
- 招待する方を決めて連絡します。案内状を郵送するのが丁寧な方法ですが、少人数の身内だけであれば電話連絡でもよいでしょう。(案内状を出す場合には、往復はがきなどで返事をもらいます。家族の場合、人数の記入や会食を用意していることなどを明確にします。)
- 会食の手配、引き物の手配をします。人数が確定してからおこないます。
- 当日にお渡しする寺院への謝礼(御布施・御車料・御膳料など)を用意しておきます。
3.忌明け法要を執りおこないます。
- 僧侶に読経をお勤めいただきます。
- 僧侶の指示に従い、喪主より順に全員が焼香します。
- この後、お説教・法話がおこなわれます。
- 法要後、お斎(会食)へ移ります。施主がお礼の挨拶を述べてから始めます。
4.忌明け後におこなうことは。
- 自宅の神棚に貼った白い半紙を取ります。
- 正式には、満中陰を迎えた後に香典返しをしますが、北九州では親戚を除いた一般の方へは葬儀後2週間位で送る場合もあります。
- 忌明けにあわせて納骨を終えた場合は、後飾り段を片付けます。後飾り段のことを中陰段とも呼ぶのはこのためです。葬儀社に引き取ってもらってもよいのですが、初盆や一周忌法要で再び使うこともできますのでその場合はきちんとしまっておきます。
- 神式の帰家祭と十日祭
- 火葬場から戻ると一同は、神官にお祓いをしてもらい手水を使い塩をまいて清めてから入ります。
- 帰家祭では、「※霊璽」と遺骨と遺影を祭壇(仮霊舎)に安置し、葬儀が滞りなく終えた報告をします。
- お祓い・祭司奏上・一同の拝礼・玉串奉奠で帰家祭は終了します。
- その後に「※直会」(なおらい)を催して、葬儀でお世話になった神職や世話役などの労をねぎらいます。
- 仏式の初七日にあたる儀式が、神道の十日祭(死亡日から10日目)です。各神道によってもそれぞれ違いがありますが、帰家祭・十日祭をその日の内におこなってから直会を催す場合もあります。
- キリスト教
- カトリック・プロテスタントともに火葬場から帰って特別な儀式はありません。
- 自宅に戻った遺骨と遺影を十字架・燭台・花などを飾った台に安置します。
- 友人葬の初七日法要
- 初七日法要は、地区及び儀典長により違いがあり、火葬場から戻ってから執りおこなう場合と葬儀・告別式に引き続き執りおこなわれる場合とがありますが、現在は後者のケースが増えています。
初七日法要では、勤行・導師焼香・喪主より順に焼香・お題目三唱がおこなわれます。
火葬場から戻って初七日法要をおこなった場合は、その後に精進落としをします。