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血糖値が高いと認知症リスクが上昇

017年7月16日~20日にわたり、英国ロンドンにて
第29回国際アルツハイマー病会議が行われました。

その中で、十分に信頼性の高い認知症の危険因子として、
ライフステージごとに9つの生活習慣リスクが指摘されました。

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【9つの生活習慣リスク】

1)少年期
15歳までの教育

2)中年期
高血圧、肥満、難聴

3)中年期~高齢期
うつ病、糖尿病、身体不活動(運動不足)、喫煙、社会的孤立

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この9つの生活習慣リスクを改善することで、
多くの人で認知症の予防もしくは発症遅延を
実現できる可能性があるということです。

この中から「糖尿病」を取り上げて、
具体的に何をすればいいのかをみていきたいと思います。

研究者の中には、アルツハイマー病を
「脳の糖尿病」と呼ぶ人がいます。

糖尿病は、インスリンの異常から
血糖値が高い状態が続く病気です。

インスリンとは、
すい臓から分泌されるホルモンの一つです。

私たちは生きてくためにはエネルギーが必要で、
そのエネルギーはブドウ糖から作られます。

「食べることは生きること」といわれるように、
エネルギー源であるブドウ糖を人は食べ物から得ています。

インスリンには、血液中のブドウ糖を、
全身の細胞が取り込んでエネルギーとして利用したり、
蓄えたりできるようにするはたらきがあります。

逆にいいますと、インスリンのはたらきがなければ、
いくら食べ物(ブドウ糖)をとろうが、
細胞のエネルギーになることはないのです。

インスリンの異常があると、
血液中のブドウ糖が細胞に取り込まれないため、
血糖値が高い状態が続きます。

血糖値が高い状態が続くと、血管はダメージを受けて、
動脈硬化を引き起こしやすくなります。

動脈硬化は脳血管性認知症の発症リスクを高める要因です。

また、このインスリンの異常により、
細胞は血糖をうまく取り込むことができないため、
栄養不足の状態に陥ります。

臓器は兵糧攻めにあっているようなもので、
やがて臓器が機能不全となり、
さまざまな合併症が出てくるようになります。

なお、脳の細胞は、全身の細胞と違って
インスリンがなくても、ブドウ糖を細胞に取り組むことが
できるようになっています。
(一部の細胞はインスリンを必要とします)

では、脳の細胞にとって
「インスリンは重要ではない」といえるかというと
そうでもありません。

インスリンは、脳内では神経細胞にはたらきかけて、
記憶や学習、情報の伝達に関する非常に重要な役割を
担っていると考えられています。

以上を踏まえますと、インスリンは
生きる力そのものを支えているといえます。

しかし、インスリンの量が少なかったり、
量が正常でもうまくはたらかない場合は、
血糖を処理しきれず、血糖値が高い状態が続くようになります。

この状態が続くと、高くなった血糖を下げようと
すい臓からインスリンが過剰に分泌されます。

血液中のインスリンが過剰になりますと、
反対に脳内のインスリンの量が減少したり、
はたらきが弱くなったりすると考えられています。

そして、最後にはすい臓も疲弊して
インスリンを分泌できなくなります。

脳のはたらきに重要な役割を担っている
インスリン自体が分泌されなくなると、
その分脳のはたらきも低下することになります。

実際に糖尿病の人は、認知症と診断される前から
記憶を司る海馬が健康な人と比べて萎縮していることが、
調査研究からわかっています。

さらに研究では、
中年期に糖尿病と診断された人では、
高齢になってから診断された人と比べて、
海馬の萎縮が進んでいることもわかっています。

そういえば、血糖値が高めのお父さんも
会社の朝礼でこのようなことはありませんか?

(お父さん)「今から大事なことを3つ伝える」

(部下たち)「はい!」

(お父さん)「で、ひとつ目って何だっけ?」

アルツハイマー病は脳にダメージを与えていますが、
中年期の高血糖も脳の神経細胞にダメージを与えています。

インスリンの異常から糖尿病が引き起こされるように、
アルツハイマー病もインスリンの異常が原因ではないかとされ、
「脳の糖尿病」といわれています。

特に日本人を含むアジア人は、
欧米人と比べてインスリンの分泌量が少ないため、
糖尿病になりやすい体質となっています。

糖尿病の予防には、

・バランスのよい食事
・運動
・ストレス解消
・充分な睡眠

などが大切といわれています。

日本人は糖尿病になりやすい体質であること、
脳や血管へのダメージの蓄積を考えますと、
糖尿病の予防は中年期から積極的に取り組みたいところです。

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【文献】
Naoki Hirabayashi, et al.
“Association Between Diabetes and Hippocampal Atrophy in Elderly Japanese:
The Hisayama Study”
Diabetes care. Sep;39(9);1543-9 (2016)

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