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【新刊】あなたにとって「家族」とはどういう存在ですか? お墓を通して家族が見える。『お墓、どうしますか? 変容する家族のあり方』発売

あなたにとっての家族はどういう存在ですか?
家族とは誰ですか?
その家族を失ったときに、どのように弔いたいですか?
墓は誰のためのものなのでしょうか?

あまり意識することのない墓ですが、家族の埋葬と深く結びつくものであり、家族のあり方が変われば、墓のあり方も変わっていきます。
本書は、「墓」を通して、「家族」のあり方を考えるきっかけを与える1冊です。

◆日本の家族はこんなに変わってきたー明治時代に家族が「制度化」された
日本の「家族」は、時代によって変化してきました。たとえば、日本の社会が大きく揺れ動く、幕末から明治にかけての「家族」の変化を紹介しています。

江戸時代までの「ムラ社会」
江戸時代までの「ムラ社会」は、農村社会であり、共同体的な社会。ここでは「個」よりも「集団」のほうが高く位置付けられ、人は閉じた社会の中で生まれ、暮らし、死んでいく。優先されるのは村落共同体の維持であり、江戸時代前期から中期までは、家や血縁でつながる家族の意識は希薄でした。

統治の最小単位としての「家」
明治維新を境にドラスティックに日本の社会は変わりました。国家、それを構成する家の存在が明確化されたのです。その家族では、父親が絶対的な権限を持ち、長男・長子への相続が厳格に決められました。
明治政府が統治体制を強化するために、まず取り組んだのは教育改革です。
江戸時代までは、それぞれの藩、そして村落共同体ごとに子どもたちの教育を行っていましたが、欧米諸国を追いかけて近代化を進めるには、すべての国民の国への帰属意識を高める必要があります。
その象徴ともいえるのが「教育勅語」で、全国民の規範としてあげられている12の項目のうち、最初に来るのが「親への孝行」、次が「兄弟・姉妹は仲良く」、そして「夫婦は仲睦まじく」。
そう、家や家族の大切さを強調しているのです。各藩の自治に委ねていた江戸時代から、国が直接統治する明治時代となり、「家」が統治の最小単位として位置付けられた、といえます。

◆家族が変わればお墓も変わる-大きく変わった近代以降のお墓
家族の変化とともに、日本の墓がどのように変わってきたのかを振り返っていきます。

復興期~高度経済成長期 「墓地の都市化」の時代
都市への人口流入がさらに活発になり、その結果急増したのが、夫婦とその子どもで構成される核家族。都市には地縁を失った世帯が増加し、また個人所得は右肩上がりで上昇していたため、「自分の墓」を求める声が強くなっていきました。そして新たに浮上したのが、「墓地用地をどう確保するか」という問題です。
問題を解消すべく登場した民間墓地は、都市の中心部から遠距離にある大規模な施設で、使用者の居住地や宗派、家族形態や申込者の資格は問わず、価格は市場原理で決まります。
こうした霊園が次々生まれた1960~70年代(昭和40~50年代)は、「墓地の都市化の時代」ともいえます。

「共同墓」「樹木墓」「自宅供養」「寺院内霊園」……お墓が多様化する
1990年ころに生まれた共同墓は、登場当初は「身寄りのない人が選ぶ」というイメージを持たれたものの、今では子どもの有無にかかわらず選択肢の一つとして定着しています。墓石が不要なため経済的な負担が軽く、大勢が埋葬されるので、花や線香が絶えにくく賑やかな印象があります。墓地の管理者にとっては、土地の限られた都心部で多くの人を埋葬できるメリットがあります。

自然に抱かれ、安らかに眠りたいという思いから生まれたのが、墓石の代わりに樹木を墓標として植える樹木墓。永代供養墓の新しいスタイルとして注目を浴び、場所によっては、高い申し込み倍率を示すところもあります。
お墓が遠方にあり、なかなか墓参りに行けないため、身近に遺骨を置く。仏壇の代わりに遺骨を置くなど、事情はさまざまでも、遺骨を自宅に安置して供養する人も増えています。これは自宅供養、または手元供養と呼ばれています。
都心部では「寺院内霊園」も生まれています。宗教や宗派の関係で、縁もゆかりもないお寺の墓地には「入れない」と多くの人は考えがちです。そのため宗教も宗派も関係ない、大規模な民間霊園が発展してきた経緯があります。寺院内霊園とは、お寺の敷地内の一角に霊園を設け、そこは民間霊園同様、宗教も宗派も関係なく利用できるものです。維持管理はお寺が行うため安心してまかせられます。

◆家族もお墓もいろいろあっていい – 家族ごとの姿があらわれる「モニュメント」
本書では、家族とお墓の変遷を振り返り、お墓をめぐる意識の調査・分析を通して、家族をどう弔うか、ひいては家族とどう向き合うか考えていきます。
著者は、お墓は家族ごとの姿があらわれる「モニュメント」であると考えます。

墓は誰のためのものか
墓は故人を偲ぶだけではなく、家族が過ごした時間、いろいろな出来事を追慕する用途もあるのではないか。父の墓を前に、そんなことを考えるようにもなりました。そこから生まれた疑問が「墓は誰のためのものか」です。
私なりの答えは、家族ごとの姿があらわれる「モニュメント」です。「モニュメント」なのですから、向き合う一人ひとりが、自分のやり方で折り合いをつければいいのだと思います。

【目次】
第1章 日本の家族はこんなに変わってきた
・江戸時代以前、「家族」という意識は薄かった
・江戸時代に生まれた、現在につながる家族の形
・明治時代に家族が「制度化」された
・大正時代に「核家族」が登場
・戦後の改革でなくなった「イエ制度」
・高度経済成長期、4人家族が「標準世帯」となる
・高度成長期を過ぎて揺れ動く家族像
・そして現在:出生率の低下と未婚率の上昇
・高齢者だけの世帯が増えている
・親との近居を望む人たち
・増える一人世帯
・変わる女性の役割
・家族のあり方はいろいろあっていい

第2章 家族が変わればお墓も変わる
・外国のお墓はどうなっているのか
・お墓にあまりこだわらない欧米
・欧米同様お墓にこだわらないインドとイスラム圏
・先祖を崇拝する儒教の影響が強い中国のお墓事情
・中国と共通する韓国のお墓事情
・日本のお墓も時代によってずいぶん違う
・土葬中心だった縄文から飛鳥・奈良時代
・上の階層に火葬が広まった平安から鎌倉時代
・寺檀関係ができ、庶民がお墓を持つようになった江戸時代
・大きく変わった近代以降のお墓
・明治時代以降、お墓もイエ制度に組み込まれる
・戦後、イエ制度はなくなったが人々の意識は?
・復興期〜高度経済成長期 「墓地の都市化」の時代
・バブル期〜1990年代 お墓の大転換期
・「共同墓」「樹木墓」「自宅供養」「寺院内霊園」……お墓が多様化する
・お墓はどうしても必要なのか? お墓は誰のものか?

第3章 「お墓、どうしますか?」アンケートとインタビューで意識調査
・アンケート調査(量的調査)に見る意識
・インタビュー(質的調査)に見る意識
・インタビューのまとめ
・誰を家族だと思うか
・「住む場所」という問題も
・多様な意識

最終章 家族もお墓もいろいろあっていい
・父の死によって生じた家族の変化
・お墓は誰のためのものか?

・高度経済成長期の「家族」意識を引きずっている私たち

・お墓と家族をめぐるこれからの課題
・墓越しに見える私の家族

【著者プロフィール】
米澤 結(よねざわ・ゆう)
マスコミ勤務後、結婚を機に退職。その後、墓と家族について研究するため大学院に入り、修士課程を修了。

【書籍情報】
タイトル:書影:お墓、どうしますか? 変容する家族のあり方
定価:1000円+税
発売日:2018年4月12日
判型:新書判・ソフトカバー/264ページ
ISBN:978-4-7993- 2258-1
発行:ディスカヴァー・トゥエンティワン
ディスカヴァーサイト: http://www.d21.co.jp/shop/isbn9784799322581

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